河原井 弘道 × ART RYUMEIKAN TOKYO 乙姫広場からの日本橋 日本橋は歌川広重の”東海道五十三次”の絵の起点でもあり、日本国道路の元標にもなっていますので、一度スケッチをしてみたいと思っていました。 橋の上にかかっている首都高速道路は東京オリンピックを前に、1963年に建設されましたが、写真は正直ですから橋から少し離れますと高速道路越に街並みの景色をみることになってしまいますが、スケッチは描く位置を変えることで、主観的に風景をとらえて描けるので好都合です。 橋のどちら側を描くかは1911年から100年の橋の風格と現代建築とが調和されたこの銀座側に決めました。三越百貨店側の橋のわきに、魚市場発祥の地「乙姫広場」があり、その前に立って、通行のさまたげになることもなく、ゆっくりとスケッチを仕上げることができました。 <審査員長 芹沢高志氏からの講評> 作者は建築関係のお仕事をされていて、普段から建物や街の風景に関心を持たれていました。 職業的に建物を考えるのではなく、周囲の環境や人の営みとともに建物をとらえようとするなかで、街のスケッチを続けてこられたと聞きました。手慣れた筆致の、躍動感あふれる暖かいスケッチです。 そんな暖かみが広く愛されたのでしょう、宿泊客のみなさんやウェブを通した投票で一番の人気となり、今回、お客様審査員賞にお選びいたしました。 Artist 河原井 弘道 1965年 日本大学 理工学部建築学科 卒業 建築設計事務所に入所 1971年 外資系コンプーター会社のスタッフとして、 中国の建設プロジェクトのほか、ファシリティマネジメト業務に従事 1994年 杉並区阿佐谷の総合病院のリニューアル プロジェクトに参画 2008年 自動車会社の管財業務に従事、現在に至る