Rio Taro × ART RYUMEIKAN TOKYO 東京ツリー 東京という都市は、力強い生命力をもった大木のようだ。 そのような東京の姿と、盆栽の姿を重ね合わせたものが本作品である。 鑑賞者には、本作品を自分の手に取って、奥深くまで覗き込んでもらいたい。 見れば見るほど、東京の断片を発見することができ、小さな盆栽の中に大きな東京を感じるはずである。 つまり、本作品は俳句や茶室にも通ずる「日本の凝縮する価値観」を体験する装置であるとも言える。 これからオリンピックに向けて、東京の姿が全世界に発信されていく。 その際に、東京という都市を要約して分かりやすく伝えるのではなく、 この複雑で力強い東京の生命力をそのまま世界に伝えたいと思い、本作品を作成した。 <審査員長 芹沢高志氏の講評> 盆栽は自然の樹木を用いながらも、人が長期にわたって日々手入れし、管理し続けて維持される人工—自然の小世界で、日本文化の一側面を良く現すものと思います。作者はその盆栽の姿に東京を重ね合わせ、そのなかに東京のさまざまな断片を埋め込んでいます。小さな世界に詰め込まれた雑多な要素、一見ごちゃごちゃとした印象でも、それはひとつの全体にまとまっている。私たちの自然と人工に対する錯綜する想いさえ表現されていて、とても面白い作品と思います。 Artist Rio Taro 1988年生まれ。学生。 国内の大学を卒業後、フランスに渡りアートと建築を学ぶ。 現在は帰国し、大学院で都市計画の研究を行っている。 「人の気持ちをデザインすること」をデザイン理念とし、 写真、グラフィック、プロダクト、建築、都市計画などの 様々なジャンルでデザインを学び、活動を展開している。